katamatsuの寝落ちブログ

南東北の片田舎で子育てしながら農業を営むおじさんの気ままなブログです。

かもめのジョナサン完成版 について・・・完全にナメてました!

http://ecx.images-amazon.com/images/I/51M3B6XWvVL._SX349_BO1,204,203,200_.jpgかもめのジョナサン: 【完成版】

以前芥川賞作家の玄侑宗久氏がラジオで触れていて気になっていたのですが、この夏の新潮文庫の100冊のラインナップに並んでおり思わず購入してしまいました。

まずタイトルだけだと児童文学のような印象を持ちそうです、かもめの写真がやたらと挟まっており ほとんど絵本のようでサクッと読めるだろうと完全にナメていましたが、読後に色々な疑問が渦を巻き、まるでエヴァンゲリヲン旧劇場版の視聴後のようにw ネットでレビューなどを検索しまくりたい衝動に駆られました!

少なくとも、人生をかもめに例えた寓話であることは明白でしょう。

前半(Peat One・Peat Two)は、ドラゴンボールのダイジェストかって感じに一気に加速していきます。

Peat Threeでは、もはやスピリチュアル or オカルトの域にまで達し、

Peat Four(最終章)で、一気にちゃぶ台が返された、といった感じでしょうか(最後若干の救いはありますが)。

読者の気分(精神状態)によっては勇気付けられる場合もあるかもしれませんが、危ない領域へ連れて行かれそうな怖さも感じます。

また、付け足された最終章で時間とともに形骸化してしていくさまには、今回の震災の記憶のように身の回りに起こった災いや教訓が時間とともに危機感が薄れていくことを思い重ねるかもしれません(僕のように)。

 この、ある意味危うい本が40年前も前に大ヒットし、いまだに売れ続けているらしい理由を僕なりに考えてみると・・・

何より、出版当時の翻訳(創)者である五木寛之氏の作品批判とも言える解説が掲載されていたことが大きいと思います。つまり、出版から40年を経て作者が誤った読み方を否定するような、いわば「蟹工船」の最終章にソ連邦崩壊的な最終章を付け加えるようなことを五木寛之氏が先回りしてすでに書いていて、日本ではそういう作品として受け入れられていた!と考えると、中島みゆき氏がこの最終章を知らずに「かもめはかもめ」を書いた事実も腑に落ちる・・・かな。

一言で”深い”などと書くと梶原しげる氏に鼻で笑われそうなので、色々考察してみました。

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